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トライアル雇用助成金の活用術! 経験を積ませるチャンスに

トライアル雇用助成金

事業主の皆さまは、既にトライアル雇用助成金を活用していますか。もし、まだ活用できていない、導入はしているけれども詳しくは制度について理解していない、という方にはぜひ読んでいただきたいです。

この記事を最後まで読んでいただいた方は、この助成金制度がそもそもどんなものなのか、労働者にどんなチャンスを与えられるのか、そして事業主としてどんなメリットがあるのか、理解を深めていただけていることと思います。

1. トライアル雇用助成金の概要は?

トライアル雇用助成金は、簡単に言ってしまえば企業でよく使われる試用期間のような雇用を行った事業主に対して、国から補助金が出る制度のことです。厳密に言うと「試用期間だから助成金が出る」わけでなく、要件を満たす新規雇用に対して、補助金が出るのです。

なぜトライアル雇用助成金で試用期間の話をしたかというと、要件の一つとしてトライアル期間と呼ばれる原則3か月の有期雇用契約期間を経てから、期間の定めがない常用雇用契約に転換されるため、労働者かが感じる感覚としても「ほぼ試用期間」と言っても過言ではないからです。

トライアル雇用助成金では、原則3か月の有期雇用契約期間を終了し常用契約に転換してから最長3か月にわたり、最大月4万円(母子or父子家庭の場合は5万円)の助成金が受給できるようになっています。つまり、労働者がトライアル期間中に離職した場合には、補助金を受け取ることができないということになります。

2. トライアル雇用助成金はどの年齢層に対して使える?

特定求職者雇用開発助成金といった高齢者や障害者に対する助成金もあり、トライアル雇用助成金はどの年齢層に対して使えるのか気になることかと思います。実は、トライアル雇用助成金はほかの要件も満たす必要はありますが年齢に関しては指定がないため、最速で中学を卒業して就職してきた労働者という若い年齢から、定年で退職し新たに職を探しに来た高齢者まで、幅広い年齢層に対して使えるのです。

そして、トライアル雇用助成金の制度を導入していても、その他の要件を満たしていなければ補助金の受給ができないだけで採用を見送らねばならないという規定は存在しないため、幅広い年齢層の労働者に使うことのできる事業主に不利益のない制度と言えます。

3. トライアル雇用助成金で補助金を受給するには?

トライアル雇用助成金で補助金を受給するためには、次の要件を満たす必要があります。

①ハローワーク、職業紹介事業者、地方運輸局へ、事前にトライアル雇用求人を提出すること
②ハローワーク、職業紹介事業者、地方運輸局から紹介を受け雇用すること

さらに、次のいずれかの要件も満たさねばならないという決まりがあります。

③就労経験のない職業に就くことを労働者本人が希望すること
④学校卒業後3年以内で、卒業後に安定した職業に就いたことがないこと
⑤過去2年以内に、2回以上離職や転職を繰り返していること
⑥直近で離職している期間が1年を超えていること
⑦妊娠・出産・育児を事由に離職し、安定した職業に就いていない期間が1年を超えていること
⑧就職の援助に、特別な配慮を有すると認められていること

このような要件を満たした場合、トライアル雇用助成金を利用することができます。例えば、新卒者であれば③もしくは④を満たしていることがほとんどであるため、①と②の要件を満たして紹介されてくれば補助金の対象となる可能性が非常に高いと言えます。

しかし、職場を変えつつも長期間働いてきているフリーターの場合ですと、トライアル雇用助成金の要件としては③~⑧いずれかのものを満たすことが難しくなってしまい、異業種である③を利用することとなり、受給対象にしづらいと言えるのです。

社会経験豊富な定年者の場合も同様です。定年後1年以上経過していないと⑥を満たすことができないため、やはり異業種である③を利用することでトライアル雇用助成金の対象とするのが、補助金の観点では手っ取り早いものとなります。

ですが、本人の希望で就労経験のない職業に就くと、トライアル雇用助成金の要件は満たすものの、今まで使ってきた知識や経験を生かすことができず、原則3か月の有期雇用契約期間中に補助金を受け取らずに経験者がほしい、という声が上がる可能性もあります。

もしも、トライアル雇用助成金の要件は満たすものの試用期間のような3か月を見守る人材が足りていない場合、契約の転換もできず双方にデメリットしか残らない可能性もあるため、よく考えて補助金制度を利用する必要があると言えるのです。

4. トライアル雇用助成金で指される特別な配慮とは

先ほどお話しした、トライアル雇用助成金の要件の⑧にある「就職の援助に、特別な配慮を有する」というものがありますが、この『特別な配慮』とは何のことを配慮すればいいのか理解していますか。

これは、「生活保護受給者」「母子(父子)家庭の母(父)」「日雇い、季節労働者」「永住帰国者」「住所喪失不安定就労者」「ホームレス」といった方のことをトライアル雇用助成金の制度では指しているのです。

そのため、父子家庭の父で子を養うためにも給与条件のいい職場に転職しようとしたのであれば、同業経験者で現在も勤務中であろうとも、⑧に該当しているためトライアル雇用助成金でいずれか満たさねばならない要件を満たしているのです。

確かに同業の経験者や、ブランクのない長期勤務が望める労働者はトライアル雇用助成金の要件で対象外となりやすいのですが、特別な配慮を有する場合に限っては補助金の対象外になるという不安を抱えずともいいメリットを持ちつつ、好条件の労働者を雇い入れるチャンスにもなり得るのです。

おわりに

トライアル雇用助成金では、若年層から高齢者まで幅広い年齢層に対応しており、いずれの場合も原則3か月の有期雇用契約期間を経てから常用雇用契約に転換することで、補助金を受け取れることがわかりました。

特別な配慮を有すると認められている方の場合、能力にかかわらず条件が緩和されていますので、助成金を受給しつつ好条件の労働者を手にできるチャンスがあるということを忘れず雇用求人を出していただきたいと思います。


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