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特定求職者雇用開発助成金の使い道は? 事業主に得はあるのか

特定求職者雇用開発助成金

特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)という制度はご存じですか。これは、就職が困難であるとされる方を雇用することで助成金がもらえるという制度なのですが、具体的にはどうすればいいのでしょうか。

この記事を最後まで読んでいただいた方は、この制度を受けるにはどうしたらいいのか、メリットはあるのか、より深く理解していただけることかと思います。

1. 特定求職者雇用開発助成金はこんな制度!

特定求職者雇用開発助成金という制度は、就職が困難であるとされる方を雇用することで助成金がもらえるという制度ではありますが、就職が困難であるとはどのような方を指すのか、それがまずわからないかと思います。この制度で就職が困難とされるのは、障害を持っている方や高齢者の方のことです。

そのため、特定求職者雇用開発助成金の制度を利用する際には、必ず障害を持つ方か高齢者の方のどちらかを受け入れる必要があります。また、受け入れる方法にも制限があります。事業主として正社員からアルバイトまで、労働者を集めるためにさまざまな媒体で求人することができますが、この制度を利用するためにはハローワークや民間の職業紹介事業者から紹介を受け、雇用せねばならないのです。

なかなかハードルが高いように思える特定求職者雇用開発助成金ですが、もう1つ制度を利用する際には制限を持っています。紹介を受けた労働者を、雇用保険一般被保険者として雇い、雇用期間は65歳以上に達するまでかつ継続した2年以上の見込み雇用が求められます。

この2つのハードルをクリアして初めて、特定求職者雇用開発助成金の制度を活用することができるようになるのです。そのため、健康で若い人材でないと務まらない業務ですとなかなか制度の利用は難しいですが、事務処理や清掃といった簡易で指導や監視もしやすい仕事であれば、制度を利用しつつ雇用促進につながる制度なのです。

2. 特定求職者雇用開発助成金のメリットは?

特定求職者雇用開発助成金の制度を利用して労働者を受け入れた場合、事業者にはどのようなメリットがあるのか気になりますよね。一般的には、通常に雇い入れる健康で若い人材よりも能力的に劣ることが多いのですから、障害を持つ方や高齢者の方を助成金があるからとわざわざ受け入れるメリットはあるのか、少々疑問に思うかと思います。

特定求職者雇用開発助成金だけでなく、助成金の制度には正規雇用等転換コース(正社員化コース)や人材開発支援助成金といった制度もあるのですから、若くて健康なアルバイトから雇用を始めた方がメリットは大きいのではないか、と誤解されてしまうこともあるのです。

確かに、若くて健康なアルバイトを雇用すれば、特定求職者雇用開発助成金で受け入れた労働者よりも、幅広い分野でその能力を発揮してくれる可能性があります。ですが、その他の助成金制度を利用しないかぎり助成金は受け取れませんので、賃金はすべて事業主が負担する必要があるのです。

一方の特定求職者雇用開発助成金で受け入れた労働者の場合、体力を使う仕事には向かない、細かい作業や危険な作業は任せられないといったデメリットがあります。だからこそ、このような助成金の制度があるのです。しかしながら、まったく仕事ができないのかと問われると、それは違います。

特定求職者雇用開発助成金の対象となるような方であっても、できる仕事は多岐にわたります。簡単なところで言えば書類の分別やデータ入力といった事務仕事、はたまた店内をきれいに保つための清掃、これらに特別な技能はほとんどと言っていいほど必要とされないです。

また、場合によっては資格を有し現場経験豊富な高齢者の方が応募してくれる可能性もあり、いつやめるかわからない若手の新人を雇って一から教育するよりも、特定求職者雇用開発助成金の制度で助成金をもらいつつ、生産性の向上を見込むことも可能となるのです。

紹介を受け、最終的に採用するしないは事業主の自由ですので、目標とするレベルの人材が応募してくれるのを待って、特定求職者雇用開発助成金の制度を活用してもいいのです。

3. いくら特定求職者雇用開発助成金でもらえるの?

特定求職者雇用開発助成金では、最大240万円受け取ることができます。ただこれは、中小企業でもらうことができる最大のケースの場合ですので、次の5つのケースからどれに該当するのかチェックすることが大切です。

短時間労働者以外の者
①高年齢者(60歳以上65歳未満)、母子家庭の母等
60万円(1年)
②重度障害者等を除く身体・知的障害者
120万円(2年)
③重度障害者等(重度の身体・知的障害者、45歳以上の身体・知的障害者及び精神障害者)
240万円(3年)

短時間労働者(一週間の所定労働時間が、20時間以上30時間未満)
④高年齢者(60歳以上65歳未満)、母子家庭の母等
40万円(1年)
⑤重度障害者等を含む身体・知的・精神障害者
80万円(2年)

特定求職者雇用開発助成金では半年を1期と定めており、一度に満額支給されるのではなく、1期ごとに20万円~40万円の支給がなされます。例えば①のケースですと、30万円ずつに分けて2回、③のケースですと40万円ずつに分けて6回の支給があります。

特定求職者雇用開発助成金で定められている障害を持つ方にも分類があり、重度の障害か否かで支給額は大きく変わります。そのため、安全の確保も兼ねて採用前に、障害を持つ方には特に「どのような障害があり、何ができて何はできないのか」をしっかりとヒアリングしておく必要があると言えます。

また、これらは上限額であり、支給されるのはあくまでも賃金が上限であるのを忘れないことです。

4. 結局特定求職者雇用開発助成金は利用すべきなのか

結局のところ、特定求職者雇用開発助成金の制度は利用するべきと言えるのか、それとも導入を見送るべきなのか、どちらなのかが問題となりますね。私の見解を述べますと、積極的に活用すべきだと思います。

というのも、特定求職者雇用開発助成金の制度を導入するということは、障害を持つ方や高齢者の方を受け入れることになり、特別な資格や技術を持っていないのであれば、健康な若者を雇用した方が即戦力になりやすいとも考えられます。

ですが、経営を長い目で見ますと、障害者や高齢者は受け入れず雇う気がない企業だ、という風評被害を防ぐためにも、早い段階で特定求職者雇用開発助成金の制度を活用しつつ、「弊社は年齢や障害にもとらわれず、積極的な雇用をしている」というアピールをしていた方が、対応をまったくしていない同業他社よりも指示される秘けつとなるでしょう。

確かに、特定求職者雇用開発助成金の制度で受け入れた人材は一般の労働者に比べ、仕事を覚えてもらうのに教えるのが大変、仕事を覚えてもらっても危ないことがないか見る手間が増える、といった傾向があるかもしれないです。しかし、そういったデメリットを補うための補助金であり、積極性を世間にアピールできれば企業イメージもアップする、一石二鳥のシステムになっているのです。

そのため、特定求職者雇用開発助成金は、早い段階から積極的に活用し、受け入れた人材に早く職場になじんでもらえるよう努力をしていた方が、有意義な投資ともなる制度と言えるはずです。

おわりに

いかがでしたか。特定求職者雇用開発助成金では、働き口を見つけづらい障害を持つ方や高齢者の方を順序立てて雇い入れることで、最大240万円もの助成金がもらえることがわかりました。

高齢化社会になり、退職したものの年金だけでは足りない、まだ年金がもらえないので働きたいという方も多くいます。制度を活用し、いい人材の確保をするのも手だと思います。


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