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定年後の再雇用に助成金は適用可能? 補助金制度の真相を追究!

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定年を迎え再雇用をした労働者に対し、各種助成金制度は適用することができるのか、疑問に思うことはありませんか。思っても不思議はないです。何せ、以前も自社で働いていた労働者なのですから、補助金がどう扱われるのか懸念材料になる方が一般的かと思います。

この記事を最後まで読んでいただいた方は、制度の適用が可能なのか否か、真相をつかんでいただいていることと思います。

1. 再雇用だと助成金は受給できない(という誤解)

再雇用をする前の労働者に対し、人材開発支援助成金やキャリアアップ助成金といった各種助成金制度を利用していても、それが合法的に受給されている補助金であれば、実のところ定年後に再雇用を行っても制度は利用可能なのです。

再雇用時に60歳以上65歳未満であれば特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)という制度を利用できますし、65歳以上になっても特定求職者雇用開発助成金(生涯現役コース)という制度により補助金を受け取ることができます。

この補助金制度を使って再雇用した労働者に制度を使わせようとする際には、前者の場合は1週間の労働時間が20時間30時間未満、後者の場合は20時間未満という時間の壁も存在するため、実働8時間週5日勤務といった現役時代の労働時間を求めることはできなくなってしまいます。

しかしながら、年齢と時間以外にも要件はあるものの、せっかく要件を満たしているのにこれらの制度を使わないというのは、失策でしかないと思います。再雇用により補助金を受給できるのならば、受給しなければ損です。では、それぞれの制度にどんな要件があるのか、お話ししていきます。

2. 再雇用でも使える特定求職者雇用開発助成金の概要

再雇用をした労働者にも適用することができる、特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)という補助金の制度は、先ほどお話ししたとおり60歳以上65歳未満の労働者に対して利用できる制度です。そして、受給されるのは1年と定められていますので、最大限補助金を受け取るためには64歳の誕生日を迎える前に再雇用をしなければならないのがわかるかと思います。

しかし、要件はこれだけではなく、ハローワークまたは民間の職業紹介事業者を介して雇い入れる必要があり、かつ65歳以上になるまで2年以上の雇用が確実であるという見込みが立っていないといけませんので、補助金を受け取るためには少なくとも63歳の誕生日を迎える前に再雇用を済ませておかねばならないのです。

この要件を満たすことで、助成金が最大40万円受給できるという制度なのですね。そのため高齢者の方を、ハローワークなどを介して採用しておらず、定年時にいったん退職手続きはとるものの、事業主や人事から直接労働者に対して再雇用を打診し雇用に至るというケースの場合、この特定求職者雇用開発助成金を利用することはできない、ということになります。

では、同じ特定求職者雇用開発助成金でも生涯現役コースと呼ばれる制度の場合は補助金がどうなるのか、気になることかと思います。結論から言ってしまうと、特定就職困難者コース同様に直接労働者に対して再雇用を打診して雇用に至るというケースの場合、やはりハローワークまたは民間の職業紹介事業者を介して採用しなければならない、という要件を満たさなくなってしまうため、補助金を受け取るためには直接的な打診は控えるべきです。

また、助成金の対象となる年齢が65歳以上からとなっているため、生涯現役コースと特定就職困難者コースを混同しないことが大切と言えます。

3. 再雇用の助成金のためハローワークに登録すべき?

もちろん、目先の助成金よりも生産性の向上に向けて、定年後も少しでも長く企業に貢献してもらい、技術や知識の継承や新人育成の手間を省くという観点で言えば、再雇用時に直接的な打診をしてもいいかと思います。ですが、定年後に働ける期間は新卒者のような若者に比べて高齢者はどうしても不利になってしまいますし、体力や集中力の面でもどんどん衰えていってしまいます。

それを考えると、ハローワークや民間の職業紹介事業者に高齢者枠として登録し、同じく再雇用する場合でもそちらを介してもらった方が事業主としても助成金というメリットがあり、さらには補助金をもらいつつまったくの新規雇用となる高齢者の方を見つけて、生産性の向上につなげることもできるのです。

さらに、高齢者枠を設けておくことで、ハローワークなどを訪れた高齢者の方には、定年後も再雇用の機会が与えられるのかという好印象を持たせることもでき、助成金を抜きにしても企業イメージはアップすることかと思います。

4. 特定求職者雇用開発助成金を再雇用で使う際の注意点

特定求職者雇用開発助成金(生涯現役コース)を再雇用時に使う際の注意点として、次のようなものが挙げられます。

①ハローワークなどの紹介以前に雇用の予約をしていた場合
②雇い入れ日の前日から過去3年以内に、雇用や派遣などの関係があった場合
③事業主の事業所または取締役の3等親以内にあたる親族である場合

特に、この3点は注意が必要と言えます。①に関しては、「再雇用するから、ハローワークで紹介受けてきて」というような約束をしていた場合、無効と判断されます。②に関しては、退職後3年以内の再雇用をしても助成金の対象とならない、ということになります。そして③に関しては、①と②を満たしていようがほかの要件をすべて満たしていようが、親族経営しているような企業ですと3親等以内の場合は補助金が出ないということです。

いずれも重要なことですが、特にどの企業でも該当してしまいやすいのが、①と②になるかと思います。この制度を利用して助成金を受け取ろうと考えているのであれば、優先して再雇用するからというような趣旨のお話しをしてはなりませんし、そのような密約があったと疑われるような雇用の仕方をしていると、思わぬペナルティを受ける恐れがあります。

ペナルティとは、補助金の受給資格はく奪です。つまり、この特定求職者雇用開発助成金だけでなく、現役世代に使っているほかの助成金に対しても影響してしまうため、再雇用に際しても慎重に扱う必要があると言えるのです。

最後に、②に関することですが60歳定年の場合ならば特定求職者雇用開発助成金(生涯現役コース)が適用可能になる年齢は65歳以上であるため問題はありませんが、65歳定年の場合には最低でも68歳になるまでは再雇用することができないことを忘れないでいただきたいです。

再雇用時に助成金を受け取るため制度をフル活用するのであれば、定年後のブランク期間は自宅でゆっくりされるか、まったくの別企業に勤めていただき、補助金がもらえる時期になったらハローワークや民間の職業紹介事業者を介して戻ってきてもらえることを、事業主としては祈るしかないのが現状です。

おわりに

いかがでしたか。定年後の再雇用は利用する助成金制度によって要件もずいぶんと異なりますが、労働者に打診をしてハローワークなどを介して戻ってきてもらうよう指示しておくことは絶対にやってはいけないことだということがわかりました。

補助金の制度をフル活用し続けるためにも、不正受給と企業名を公開されないためにも、しっかりとルールを守って採用することが大切ですね。


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