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教育訓練休暇等制度の活用法を徹底解説!

教育訓練休暇等制度

教育訓練休暇等制度と呼ばれている制度を知っていますか。この制度を利用することで、事業主はお得に従業員の能力向上を図れるのです。ですが、メリットばかりでなくデメリットが大きいと誤解されている可能性もあります。

この記事を最後まで読んでいただいた方は、制度のメリットとデメリットや、活用法について理解を深めていただけていることと思います。

1. 教育訓練休暇等制度の概要は?

教育訓練休暇等制度は、簡単に言ってしまえば労働者に休暇を与え、事業主以外からの教育訓練やキャリアコンサルティングを受けたり、資格を取得したりするための機会を与えるものです。似たような制度にセルフ・キャリアドック制度がありますが、この2つには大きな違いがあります。それは従業員に「休暇を与えるか否か」という点です。

教育訓練休暇等制度では休暇を与え、その間に事業主によらない能力向上を目指してもらうものですが、セルフ・キャリアドック制度では事業主の管理下に置かれ仕事をしながら能力向上を目指してもらうものです。そのため、「賃金が発生するか否か」という点でも異なる制度です。教育訓練休暇等制度では有給休暇ではなく単純な休暇を与える制度であるため、賃金は発生しないのです。

従業員に休暇を与えるため、教育訓練休暇等制度を導入し従業員が利用する場合、無給とは言え本来あるべき労働力が減ってしまいます。それだけ聞くとデメリットにしかなり得ないのですが、従業員は自ら選択したカリキュラムで能力向上をして戻ってくるため、現場に復帰したときには生産力の向上につながるよう、知識や資格を取得しているのです。

2. 教育訓練休暇等制度を導入するメリットは?

教育訓練休暇等制度を導入するメリットは、何と言っても返す必要のない助成金が、事業所あたり最大50万円まで支給されることです。人材開発支援助成金(旧キャリア形成促進助成金)やキャリアアップ助成金と併用することで、より多くの助成金を受けながら従業員の生産性向上を見込むことができるため、教育訓練休暇等制度だけでなく複数の制度を積極的に活用していくといいと言えます。

実は、この教育訓練休暇等制度を導入するメリットは、助成金がもらえることだけではないのです。従業員に休暇を与える必要があるため、一時的な生産力は低下してしまうのですが、戻ってきた従業員は知識や資格を取得してくるため、長期的に見れば生産力は低下しておらず、むしろ向上することが見込めるのです。

申請には多少の手順を踏む必要がありますが、助成金を受けながら生産力を向上させられるという大きなメリットがあるため、何の制度も導入せずただただ働かせ続けるのはもったいないことだと思います。

3. 教育訓練休暇等制度を導入するデメリットは?

教育訓練休暇等制度を導入したことによるデメリットはあまりないのですが、あえて挙げるとすれば、大きな戦力となっている従業員でも制度の利用をするための休暇取得を無理に引き止めることができないため、一時的な生産力や統率力が失われることです。

この教育訓練休暇等制度に大きな関心を寄せられる中小企業の事業主の方は特に、大企業に比べ大きな戦力となっている従業員が休暇を取得するというのは痛手になりやすいものです。人材に余裕のある企業ならば、戦力をほかの部署から借りてくることもできるでしょうが、少人数で経営している企業にとって戦力が欠けることは痛手となりやすいのです。

それこそが、特に中小企業において教育訓練休暇等制度を導入した際に感じやすいデメリットと言えるかと思います。ですが、休暇から戻ってきた従業員は、今まで以上の戦力となって復帰してくれるのですから、それを忘れてはいけないというのもポイントですね。

4. 教育訓練休暇等制度で休暇は何日与えねばならないのか

教育訓練休暇等制度を導入し実施した場合、与えなければならない休暇の日数というものは定められてはいないのです。たった1日の休暇でも、数か月に及ぶ休暇でも、定めがないため自由と言えます。裁量は事業主と、実際に制度を利用し知識や資格を取得してくる従業員の間で取り決めることができます。

5. 教育訓練休暇等制度を利用するときに気をつけること

実際に教育訓練休暇等制度を導入し従業員に能力向上の機会を与える環境作りをして行く中で、気をつけねばならないことがあります。それが、休暇は従業員が自主的に取得するもの、ということです。つまり、事業主として業務命令を出し、休暇を取らせていかなる知識や資格を取得させようとも、この教育訓練休暇等制度の対象とはならないということです。

この制度は、あくまでも従業員の「自主性」から休暇を取得し、業務に関連する好きなカリキュラムを受ける権利を持たせることです。事業主が業務命令とし同じカリキュラムを受けさせたとしても、それは事業主の管理監督下にある業務の一環と捉えられてしまうため、制度の対象とはならないということなのです。

また、教育訓練休暇等制度は業務に関連するものであれば、従業員は好きなカリキュラムを選択して能力向上の機会を得ることができます。その際、発生した費用に対し助成金を使うことができます。事業所あたり最大50万円支給されますが、全従業員でその額を超えてしまっても、事業主は費用の請求を拒むことができないのです。

6. 教育訓練休暇等制度の導入手順は?

教育訓練休暇等制度は、次のような流れで導入することができます。

①教育訓練休暇等制度の作成
②制度導入や適用計画届の提出
③制度導入や適用計画届の認定
④制度の導入
⑤制度の実施
⑥支給申請書の提出
⑦助成金の支給開始

長い道のりのようですが、制度を導入することで最大50万円の助成金を受け取ることができますので、使わない手はない制度とも言えますね。手続きが面倒に感じる、手順に不安を覚えるようであれば、キャリアコンサルタントに依頼をし、ほかの助成金制度とともに導入の手助けを打診してみるのも手だと思います。

おわりに

いかがでしたか。教育訓練休暇等制度は従業員に休暇を与える必要のある制度ですが、休暇を与える必要のないセルフ・キャリアドック制度と併用することもできます。もちろん、その他の助成金制度と併用することもできます。生産性が向上し、かつかかった費用は助成金で補えるというのはすばらしいことだと思いませんか。

導入に際し難しいと思う部分もあれば、一度キャリアコンサルタントに相談してみてもいいと思う制度ですね。


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