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雇用保険に加入してると助成金が出る? 補助金の嘘ホント

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労働者を雇用保険に加入させることにより、助成金が出るという話は本当だと思いますか。この保険は任意の保険でなく、ほとんどの事業において強制的に労働者を保険に加入させることが義務づけられているものですので、それに対して補助金が出るというのを疑いたくなるのはわかります。

この記事を最後まで読んでいただいた方は、保険制度の嘘とホントをより深く理解していただけることかと思います。

1. 助成金がなくとも雇用保険は加入させる義務がある

例え助成金の話が嘘だとしても、ほとんどの事業において労働者に対して事業主は、雇用保険に加入させる義務を負います。例外的に加入の必要がないのは、日雇いの労働者を雇っている場合や、アルバイトやパートで働いており週に20時間未満という短時間で働きつつ31日以上の雇用継続がない場合などです。このような特殊な場合を除き、補助金の話が嘘であろうとホントであろうと、事業主は労働者を雇用保険に加入させる義務を負うのです。

これは、助成金の話をする以前の雇用保険における大前提のお話しであり、もしも加入対象となる事業であるにもかかわらず加入を怠っている場合には、すぐにでも改善せねばならないものと言えます。それは、事業主として各種補助金があろうと受け取れなくなるということもありますが、労働者にとって失業してしまったときに不利益を生じてしまうからです。

確かに雇用保険は、一時的に見れば保険料を取られるわけですから、働き続けている労働者から見れば不必要な保険料で給与から引かれたくない気持ちもわかります。ですが、何らかの事故により働けなくなる可能性もありますし、何より企業として不正を行っているということは各種助成金を申請した際に、補助金を受け取ることができなくなってしまうという事業主と労働者双方の不利益にもつながるのです。

そのため、助成金が出るという話が嘘であろうとホントであろうと、雇用保険を対象の労働者が全員加入しているか、しっかりと把握することは必要不可欠と言えるのです。

2. 雇用保険に加入させると助成金が出るのはホント

労働者を雇用保険にしっかりと加入させると助成金が出るという話が嘘かホントか気になるところかと思いますが、結論から言ってしまうとそれはホントで助成金を受け取ることができます。ただし、補助金の対象となるのはすべての事業主でなく、特定の事業主に限られる点に注意が必要なのです。

特定の事業主でないと、労働者を雇用保険に加入させていたとしても助成金が出ない理由として、そもそもこの保険がほとんどの事業において強制的に加入させることが義務づけられているものだからです。この補助金制度を車で例えるならば、自賠責保険と任意保険の関係です。

自賠責保険は強制保険とも呼ばれ、車やバイクを公道で走らせるためには必ず加入させることが求められます。長期間の一括払いで割引はありますが、免許の色や契約する業者で割引がないという点が雇用保険に似ています。一方の任意保険では、免許がブルーよりゴールドの方が同じ条件の保険でも安くなるケースが多く、契約する業者によって同じ条件の保険でも値段に差が出てきます。これは、安全運転をするドライバーへの補助金とも言えるかと思います。

このように、労働者を雇用保険に加入させることで助成金が出るという話はホントなのですが、そもそも保険自体が強制加入のものであるため、補助金の対象となる事業主が限られてしまう、ということなのですね。

3. 雇用調整助成金を使って補助金を受け取れる事業主

労働者を雇用保険に加入させ補助金を受け取るためには、雇用調整助成金という制度を利用します。この制度は先ほどお話ししたとおり、助成の対象となるのは特定の事業主に限られているのです。

この制度を利用し雇用保険に加入させた労働者がいる事業主の場合、補助金を受け取るためには次の5つの要件すべてを満たす必要があります。

①雇用保険を利用している事業主であること
②売上高や生産高などの直近3か月の平均における指数が、前年の同期に比べて10%以上低下していること
③中小企業の場合は10%を超えかつ4名以上、中小企業以外の場合には5%を超えかつ6名以上の雇用量増加があること
④休業、教育訓練、もしくは出向といった雇用調整が条件を満たすものであること
⑤過去に本助成金もしくは中小企業緊急雇用安定助成金を利用したことがある場合、助成の満了日から1年以上経過していること

このように、この補助金制度を利用するためには「企業の利益や生産性が落ち込んでいること」を主軸とした考えでおらねばならず、順調に成績を伸ばしている事業主は対象外となっているのです。

ですがこの助成金では、労働者を雇用保険に加入させており、利益や生産性が落ち込んでいれば要件のほとんどをクリアできるため、以前より伸び悩みがあり利益や生産性の落ち込みはあれど黒字経営をしている事業主であっても、利用はできる補助金制度なのです。

4. 雇用調整助成金ではいくら助成されるのか

労働者を雇用保険に加入させるのが大前提で、企業の利益や生産性が低下している事業主が利用できる雇用調整助成金ですが、この制度を利用することで最大で1人1日あたり7,775円の補助金を受給することができます。

もっと具体的なお話しをすると、休業や教育訓練を実施した場合には賃金相当額、出向をした場合には出向元事業主としての負担額に応じていくら助成金を受け取れるかが変わってきます。休業や教育訓練の場合だと、中小企業で2/3、中小企業以外で1/2の賃金相当額が補助金として支給されます。そして、出向の場合には1人1日あたり1,200円までと定められており、企業規模での差は設けられていないのです。

このように、雇用保険に加入させるのは事業主としての義務となっている場合がほとんどですが、事業成績の悪化で前年の同期よりも利益や生産性が落ちている場合には、実施した対策によって助成金が受け取れるのです。

おわりに

いかがでしたか。事業主として労働者を雇用保険に加入させることは、ほとんどの事業において義務となっていますが、事業成績の悪化がある場合には雇用調整助成金という制度を利用することで補助金を受け取ることもできるのです。

万人が使える制度出ないのが残念ではありますが、黒字経営でも使える制度ですので、制度をよく理解して利用の検討をしていただきたいと思います。


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