返済不要の助成金 人材開発支援助成金

新しくなった人材開発支援助成金(旧キャリア形成促進助成金)

2017/06/14

人材開発支援助成金(旧キャリア形成促進助成金)

人材開発支援助成金(旧キャリア形成促進助成金)と呼ばれる制度はご存じですか。この制度を利用すると、事業主の皆さまにはさまざまなメリットがあります。新しくなった制度では、以前の制度とは適用の条件や範囲も異なるため、旧制度では対象外だった事業主の方には特に知っておいていただきたいです。

この記事を最後まで読んでいただいた方は、これがどんな制度であるのか、理解を深めていただけていることと思います。

1. 人材開発支援助成金とはそもそも何なのか

人材開発支援助成金(旧キャリア形成促進助成金)というのは、事業主が労働者を雇い入れ、雇い入れた労働者に対して業務に必要な経験や知識また資格を取得させることを条件とし、経費や賃金の一部を助成してもらえる制度のことです。似たような制度や助成を受けるために必要な制度として、キャリアアップ助成金やセルフ・キャリアドック制度、教育訓練休暇等制度といったものもあります。

条件さえクリアすれば人材開発支援助成金(旧キャリア形成促進助成金)の対象となるのですから、事業主としては使わない手はないとも言える制度です。何と言っても、これは助成金ですので、「お金を返す必要がない」というのが魅力的だと思います。ならば、どんな事業主でも雇用者さえいればこの人材開発支援助成金(旧キャリア形成促進助成金)を利用できるかというと、そうでもないのです。

さすがに、行政もそこまで甘くはないです。不正受給などもってのほか、最低でも雇用保険が適用される事務所の事業主でないと、申し込みはできない制度になっています。雇用保険だけが要件ではなく、審査に協力的であり、申請期間内に申請ができない事業主は門前払いされてしまうのです。

助成金が出るという点では魅力的な人材開発支援助成金(旧キャリア形成促進助成金)の制度ですが、少々ハードルが高いようにも感じませんか。実際には、そこまでハードルが高いものではないと思います、私は。この次からは、詳しい制度の適用範囲や申し込み方法を簡単にまとめてお話ししていきます。

2. 人材開発支援助成金を受けられない事業主とは

人材開発支援助成金(旧キャリア形成促進助成金)を受けられない事業主は次のようなものが該当します。

①不正受給をしてから3年以内もしくは支給決定までの間に不正受給をした場合
②労働保険の納入が滞っている場合
③1年以内に労働関係の法令違反をしていた場合
④性風俗関連業の事業主である場合
⑤事業主が反社会的団体関係者である場合
⑥支給日までの間に倒産している場合
⑦不正受給が発覚した際になされる事業主名などの公表に同意しない場合

いずれも健全な業務を行っていれば、人材開発支援助成金(旧キャリア形成促進助成金)を受給できない事業主としてあきらめなければならない必要がないのです。ごくごく当たり前なハードルに設定されており、いわゆるブラック企業でなければここが問題となることは少ないと思います。

人材開発支援助成金(旧キャリア形成促進助成金)を受けられない事業主は、申し込み段階でこのように審査が通らないものになっているため、支給後も法令や規定に反しないよう今までどおり健全な業務を行っていれば、助成金を受けられない事業主というのは一握りになるとも言えます。

3. 人材開発支援助成金は何に利用できるのか

人材開発支援助成金(旧キャリア形成促進助成金)が受給できるであろう事業主であっても、支給される助成金を労働者のどのような経験に使うのか決めておかないと、書類にして申請することができないですね。では、この制度ではどのようなことに助成金を使うことが許されているのでしょうか。それは、以下の4つのコースに分かれます。

①特定訓練コース
②一般訓練コース
③キャリア形成支援制度導入コース
④職業能力検定制度導入コース

いずれも、人材開発支援助成金(旧キャリア形成促進助成金)で認められる用途であり、その他の用途に助成金を使うことはできないものです。それぞれのコースでどのようなことができるのか、これだけではイマイチわからないかと思います。どんなことができるのか、簡単にまとめてお話ししますね。

特定訓練コースは労働者にとっては一番身近なものでもあり、「35歳未満かつ採用から5年未満の労働者への訓練」や「45歳以上で直近2年間に継続して正規雇用がない労働者への訓練」また「技能継承のための訓練、熟練した技能者の指導力強化の訓練」などに人材開発支援助成金を使うことができます。一般訓練コースは特定訓練コースに含まれない職務に関連した技能や知識の習得を目的とした訓練を行う場合に使うことができます。

キャリア形成支援制度導入コースは、定期的なセルフ・キャリアドック制度の導入をしたり教育訓練休暇等制度の導入をしたりした場合、かつ導入した制度を実施した場合に助成金を受けることができるものです。ほかの制度との併せ技ということですね。

最後の職業能力検定制度導入コースは、社内検定を導入して実施した場合や、技能検定合格者への報奨金を支給する制度を導入して実施した場合に利用できるものです。事業主はいずれのコースを選択しても、要件を満たせば人材開発支援助成金(旧キャリア形成促進助成金)を受ける権利があるのですが、コースによって助成される金額に差異があります。

4. 人材開発支援助成金でどれくらい助成されるのか

人材開発支援助成金(旧キャリア形成促進助成金)ではコースごとに、また生産性要件を満たすか否かで、労働者1人あたりどれほど助成金が出るのか変わってきます。ここで言われる「生産性」とは、3年度前から現在に至るまでに、雇用保険の被保険者の人数で割って、営業利益が6%以上伸びているかどうかで判断します。人材開発支援助成金の制度では、以下の式に従い生産性の計算を行います。

生産性=営業利益+人件費+減価償却費+動産・不動産賃貸料+租税公課/雇用保険被保険者数

生産性要件を満たせば、特定訓練コースならば1人1時間あたり最大で賃金助成が960円、また経費の助成も最大60%(セルフ・キャリアドック制度を導入している場合は75%)支給されます。また、OJTの実施助成が1人1時間あたり最大で840円あります。

一般訓練コースでは同じ条件で、最大480円の賃金助成と最大45%(セルフ・キャリアドック制度を導入してる場合は60%)の経費助成があり、OJTの実施助成はないのが特定訓練コースと大きく違うところです。

人材開発支援助成金(旧キャリア形成促進助成金)の中でも使い勝手のいいキャリア形成支援制度導入コースと職業能力検定制度導入コースでは、助成額が同じであり、生産性要件を満たせば最大60万円まで事業主団体ごとに受け取ることができます。

おわりに

いかがでしたか。人材開発支援助成金(旧キャリア形成促進助成金)は返済の必要もない事業主にうれしい助成金の制度ですが、ハードルが高そうと思っていた方や以前は対象外であった事業主の方も申請できるケースがあるかと思います。

会社の更なる発展と従業員のやる気や能力向上のためにも、ぜひ助成金を活用していただきたいと思います。


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