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人材育成コースで活用できる補助金制度!未来への投資に

人材育成コース

補助金が出る制度に、人材育成コースというものがあるのはご存じですか。これは、キャリアアップ助成金の一つで、コース名のとおり人材を育成することで補助金が出る制度のことです。

この記事を最後まで読んでいただいた方は、これがどんな制度でなぜ未来への投資につながるのか、理解を深めていただけていることと思います。

1. 人材育成コースの概要を知りたい

人材育成コースは、キャリアアップ助成金の中にある8種類のコースの中の1つであり、既に雇用している非正規雇用の労働者のうち、直接の雇用をしていない雇用形態を取っている社員に対し、Off-JTやOJTを行うことで補助金を得られる制度のことです。

つまり、人材育成コースでは派遣会社から派遣されている契約社員や派遣社員はもちろん、アルバイトもその対象となり得るのです。そして、直接雇用をすると対象外となるのですから、契約社員や派遣社員が一定期間勤務後に直接雇用になるよう定めているのであれば、直接雇用する前に人材育成コースで行われる訓練に参加させ、能力の向上を図る必要があると言えます。

この人材育成コースに似た制度に人材開発支援助成金(旧キャリア形成促進助成金)というものもあります。キャリアアップ助成金のなかにある8種類のコースの中の1つであるものであるのに対し、また別の助成金という制度ということで、何の関係もないように思われることも多いです。

ですが、より広い範囲に能力の向上を図る機会を設けることができる上、別々に補助金を受けることができるため、この2つの助成金制度は労働力の育成という観点から未来への投資としても、十分に価値あるものなのです。

2. 人材育成コースとほかの制度の違いはなに?

キャリアアップ助成金の中に含まれる人材育成コースは、人材開発支援助成金(旧キャリア形成促進助成金)以外にも、教育訓練休暇等制度やセルフ・キャリアドック制度といった制度とよく比較検討されるようです。

今回は、人材育成コースとキャリアアップ助成金の中でも限られた範囲内だけをご紹介するため制度の違いが大きくなってしまうのですが、簡単にお話ししてしまうとそれぞれ次のような違いがあります。

人材育成コースと人材開発支援助成金(旧キャリア形成促進助成金)では、労働者の能力の向上を図るという点では同じ目的を持って作られている制度ですが、カバーする労働者に違いがあります。前者は直接雇用をされていない労働者を対象としていますが、後者では採用から5年以内かつ35歳未満もしくは直近2年間に継続した正規雇用のない45歳以上の労働者や、より深い知識や経験を積ませるための訓練をさせたい労働者に対してと広い範囲に適用が可能です。

それだけお話ししてしまうと、人材育成コースをあえて選ぶ意味がなさそうですが、幅広い範囲に適用できる制度であるが故に人材開発支援助成金では死角となりやすい直接雇用をしていない労働者に使いやすい制度と言えるため、併用しながら労働者によって使い分けることが必要と言えるのです。

教育訓練休暇等制度とセルフ・キャリアドック制度は似ており、人材育成コースとはまた違った意味で労働者の能力向上を図れる制度です。教育訓練休暇等制度では、労働者に休暇を与え、仕事に関係する好きなカリキュラムで知識や資格を取得してもらいながら、事業主は補助金を受けることが可能です。一方のセルフ・キャリアドック制度では、働きながらキャリアコンサルタントによって組まれたカリキュラムを労働者全員に受けさせることで補助金がもらえる制度です。

人材育成コースでは、労働者全員ではなく直接雇用されていない労働者の中から育成したい人材を選んでOff-JTやOJTを行うことで補助金を受けることができるため、これらの制度は似ているようで細部が異なる別の制度ということを忘れてはならないのです。

また、別の制度ということは、併用して運用することも可能であり、導入と運用をしっかりと行っていれば、二重三重に補助金を受け取っていても、不正受給ではないのです。

3. 人材育成コースを利用するための条件は?

人材育成コースの制度を利用していただくにあたり、次のような条件を満たしていただく必要があります。

①直接雇用されていない労働者に対し、Off-JTやOJTの訓練を実施したあとに補助金の請求をする
②育児休業中訓練や中長期キャリア形成訓練を含むOff-JT(一般職業訓練)を行うか、ジョブ・カードを活用したOff-JTとOJTを組み合わせた3~6か月の有期実習型訓練を行う

人材育成コースでは、そもそも人材を育成することを目的としていますので、Off-JTやOJTの訓練を先に実施し実績を示さないと、補助金を受け取ることができない仕組みです。実施するつもりだったけれども、やはりほかの人材育成方法にした、人材育成自体を取りやめたのに補助金だけはしっかり受け取るということはできないということですね。

また人材育成コースを含むキャリアアップ助成金制度の中では、事業所ごとに1人ずつキャリアアップ管理者を選任しなければならない決まりになっています。この人物により、事業所ごとに円滑な人材の育成を行えるよう知識や経験が求められますので、キャリアアップ管理者は、1人で複数の事業所を担当することができない決まりであるため、必ず事業所ごとに最低1人は選任するのが人材育成コースを利用するための条件です。

4. 人材育成コースでいくら補助されるの?

人材育成コースでは、Off-JTやOJTをやっている間の賃金の助成として、1人1時間あたり最大960円補助されます。Off-JTの場合にはその他にも経費が認められ、最大で1人あたり50万円実費が補助されます。

ここで最大となっているのは経費が実費であるのはもちろん、人材育成コースでは企業の規模や生産性の向上が計算上認められているかによって異なるからです。中小企業ではより多くの補助が受けられますが、大企業となると補助額は下がってしまいます。生産性の向上を満たす要件としては、生産性が次の式に当てはめて3年前より6%以上の伸びを示す必要があります。

生産性=(営業利益+人件費+減価償却費+動産・不動産賃貸料+租税公課)/雇用保険被保険者数

人材育成コースでこの生産性の式に当てはめて計算したとき、3年前より生産性が6%以上向上していない場合、賃金助成は1人1時間あたり最大760円、経費は変わらず1人あたり最大50万円の補助が受けられます。

注意をしたいのが、人材育成コースでOJTを行う場合であり、この場合の賃金補助は年度ごと事業所あたり最大1,000万円までであることです。しかしながら、本来必要経費となるはずのお金が補助金として受けられるのですから、制度を利用しないというのはもったいない選択肢と言えると思います。

おわりに

いかがでしたか。補助金の中でも人材育成コースは、労働者の能力や知識を向上させやすく、また人材開発支援助成金(旧キャリア形成促進助成金)では死角となってしまいがちな労働者にまで適用して運用できることがわかっていただけたかと思います。

事業主として無駄なお金を使ってしまわぬよう、公的な制度を活用しより企業の発展につなげていただければと思います。


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