返済不要の助成金 人材開発支援助成金

注目を浴びるセルフ・キャリアドック制度 これはどんな制度か?

2017/06/15

セルフ・キャリアドック制度

現在、事業主の方から注目を浴びているセルフ・キャリアドック制度という制度があります。この制度がどんなもので、どのような場合に適用されるものなのかご存じですか。この制度は、事業主にメリットこそありますが、利用にあたってのデメリットが少ないのが特徴的です。

この記事を最後まで読んでいただいた方は、この制度がどんな制度で、メリットやデメリットがどんなものであるのか、深く理解していただけることかと思います。

1. セルフ・キャリアドック制度の概要は

セルフ・キャリアドック制度というのは、簡単に言ってしまえば従業員がキャリアアップするため、身に着けておくべき知識や能力の取得を、事業主側から機会を設けて得られやすい環境作りを行うことです。そのような機会を作ることで従業員はより効率よくキャリアアップしてくれ、生産性も向上すると言えます。

セルフ・キャリアドック制度と似たような制度に教育訓練休暇等制度というものもあり、こちらの制度では働きながらではなく従業員に休暇を与え、資格を取得するための機会を与えるものです。セルフ・キャリアドック制度では働きながら知識や能力を取得し、キャリアアップにつなげてもらうのですから、より実務的なことを実際に働きながら覚えてもらうことができるのがメリットと言えます。

このように、セルフ・キャリアドック制度のようなものを利用すると、その期間通常業務に没頭してもらう時間が減ってしまうのですから、事業主としては損をしているデメリットのようにも感じるかもしれませんが、制度の条件を満たせば助成金を受けることができます。助成金を受けることができるため、本来かかる費用を浮かしながら従業員の能力を向上させられ、いいことずくめと言えるのですね。

セルフ・キャリアドック制度のほかにも、人材開発支援助成金(旧キャリア形成促進助成金)やキャリアアップ助成金というものもあるため、助成を受けながら従業員の能力を高めたいときには、注目してみるといいと思います。

2. セルフ・キャリアドック制度の利用にデメリットは?

概要を見ただけでもメリットは大きそうなセルフ・キャリアドック制度ですが、果たして制度を利用したときにデメリットは存在しないと言えるのでしょうか。もし、デメリットがメリットを大きく上回ってしまう経営状況なのであれば、安易に手を出すことができない制度であると思います。

セルフ・キャリアドック制度の概要でも触れたのですが、似たような制度に教育訓練休暇等制度があります。この2つの大きな違いは、現場で覚えるか、休暇を取り覚えるか、という差です。つまり、現場で知識や能力を取得するセルフ・キャリアドック制度では、働きながら知識や能力を取得してもらうため給与を出さねばならず、能率が落ちている間もそれを理由に給与を下げることができないのです。それが最大のデメリットと言えます。

しかしながら、セルフ・キャリアドック制度を利用したときに、その他どの事業主にも当てはまる大きなデメリットは見当たらず、比較的利用はしやすい制度と言えそうです。

3. セルフ・キャリアドック制度利用時のメリットは?

セルフ・キャリアドック制度を利用したときに発生するメリットは、ズバリ助成金がもらえることです。もし、同じカリキュラムを組んで従業員の能力向上に努めていても、セルフ・キャリアドック制度に申し込んでいなければ助成金を受けることはできないのです。それは、事業主として非常にもったいないことだと思いませんか。

これはセルフ・キャリアドック制度だけの利用でなく、教育訓練休暇等制度やキャリアアップ助成金、また人材開発支援助成金(旧キャリア形成促進助成金)といった各種助成金の利用有無にも同じことが言えます。特に、人材開発支援助成金(旧キャリア形成促進助成金)は、セルフ・キャリアドック制度と併用することでより多くの助成金が得られるため、メリットを最大限享受するためにはこの2つの制度は同時に利用することをお勧めしたいと思います。

また、一時の金銭面以外でも、セルフ・キャリアドック制度を利用したときにはメリットがあります。それは、従業員の能力向上が見込めるカリキュラムを組むことで効率的にキャリアアップしてくれるため、能力向上のカリキュラムを用意しないときよりも生産性が向上し、将来的に自社に貢献してくれる能力値も底上げされ、利益の向上に一役買うことを見込めるのです。

4. セルフ・キャリアドック制度の対象者は?

セルフ・キャリアドック制度の対象となるのは、次のような事業主の場合です。

「すべての労働者にキャリアコンサルタントによるキャリアコンサルティングを、定期的に実施する制度を導入した場合」

定期的、というのがあいまいに感じるかもしれませんが、これは事業所ごとに設定することができ、年度末に毎年実施、入社後5年毎に実施、人事異動をした際に実施など、さまざまなパターンを設定することが認められています。

5. セルフ・キャリアドック制度でいくら助成される?

セルフ・キャリアドック制度を利用すると、最大で50万円助成してもらうことができます。助成金の用途は、当然のことですが制度を導入したことによって生じた費用に使うこととなりますので、いくら制度を導入したとしてもかかった費用が20万円なのであれば助成されるのは20万円までです。まったく関係のない経費や給与を、助成金からまかなうことは許されていないのです。

また、セルフ・キャリアドック制度を利用して助成される金額を上回るカリキュラムを導入したとしても、最大支給額より多くは助成してもらえませんので、差額は事業主が負担する必要がある点にも注意が必要と言えます。

6. セルフ・キャリアドック制度を受ける手順は?

セルフ・キャリアドック制度を受けるためには、次のような手順を踏む必要があります。

①セルフ・キャリアドック制度の作成
②制度の導入と適用計画届の提出
③制度の導入と適用計画届の認定
④制度の導入
⑤制度の実施
⑥支給申請書の提出
⑦助成金の支給開始

長い道のりのように感じるかもしれませんが、制度の作成から支給申請書の提出まで、キャリアコンサルタントとともに作業を行う必要があるため、丸投げするわけにはいきませんが、難しい部分はキャリアコンサルタントにお任せしてしまえるのです。これが、セルフ・キャリアドック制度を推奨する理由です。

事業主だけですべてを行わねばならず、通常業務に影響し助成金の支給額よりも多くの損害が出てしまうのであれば元も子もありませんが、そのような面倒な制度になっていないため、必要最小限の手間をかけるだけでいい、特に中小企業にはうれしい制度と言えるのです。

おわりに

いかがでしたか。セルフ・キャリアドック制度は、大きな企業はもちろんのこと、特に中小企業の事業主の方にはうれしい制度なのではないかと思います。制度の作成からキャリアコンサルタントとともに歩んでいくことができるため、申請が比較的容易なのも特徴的ですね。

人材開発支援助成金(旧キャリア形成促進助成金)と一緒に利用すると、更なるメリットがありますので、キャリアコンサルタントに相談してみるといいと思います。


-返済不要の助成金, 人材開発支援助成金