返済不要の助成金

地域雇用開発助成金を利用して地元住民の雇用促進を促そう

地域雇用開発助成金

地域雇用開発助成金という制度があることをご存じですか。この制度は平成29年4月1日に名称変更されており、以前は地域雇用開発奨励金と呼ばれていたものです。名称に助成金と入ることで、どのような制度であるのか少しわかりやすくなりました。

この記事を最後まで読んでいただいた方は、この制度はどうすれば利用できるのか、利用するとどれほどの助成が得られるのか、より深く理解していただけることかと思います。

1. 地域雇用開発助成金の概要は

地域雇用開発助成金では、事業所を置いている地域住民の雇用を促す補助金の制度であり、ハローワークや民間の職業紹介事業者を介して常時雇用する雇用保険の被保険者となる労働者を雇い入れることにより、助成金を得られる制度のことです。

1年ごとに最大3回、3年間にわたり事業所の設置や整備にかかる費用を地域雇用開発助成金によって助成してもらうことができ、1回目の支給と2回目および3回目の支給では、受給のための要件が異なってくることに注意が必要です。

このように、地元住民を採用することで最大3回の補助金を受給できる地域雇用開発助成金では、地元に愛される地域密着型の活動をしやすいと言えます。

2. 地域雇用開発助成金はどんな事業主が対象なのか

地域雇用開発助成金を使い補助金を受給するためには、事業主として1回目の支給と2回目および3回目の支給で、異なる受給要件を満たす必要があります。まず1回目の支給では、次の4つの要件をすべて満たす必要があります。

①地域雇用開発助成金の申請に必要な計画書を労働局長に提出すること
②事業に用いる設備を最長18か月以内に設置、整備すること
③最長18か月以内に、地域住民を常時雇用する雇用保険一般被保険者とし、ハローワークなどを介して3名以上雇い入れること
④事業所における労働者の数を増加させること

これら4つの要件をすべて満たしていない場合、地域雇用開発助成金を利用することはできないことになっています。

例えば、現在10名の労働者がいる事業所であり、①~③はつつがなく進行したにもかかわらず、ハローワークや民間の職業紹介事業者から紹介された労働者の数と同じかそれを超える人数退職していたり解雇していたりする場合、労働者の数が10名を超えることがなくなってしまいます。

そのため、このような例の場合では地域雇用開発助成金の④を満たしていないとみなされるため、補助金を受け取ることができないのです。助成金を受け取る前に、定年で退職し労働者数が減ってしまわないか、計画段階でしっかりと確認する必要があります。

もちろん、事業主として意図していない時期に転職されてしまった場合にも、地域雇用開発助成金を利用するためには人員の補充が不可欠になりますので、地元住民に愛される企業になるためにもより積極的な採用を心がけた方がいいと言えるのですね。

そして、地域雇用開発助成金の2回目および3回目の支給では、次の3つの要件をすべて満たす必要があります。

①助成金支給基準日に、前回支給基準日における雇用保険一般被保険者数が支給完了日における数を下回らないこと
②制度を利用して雇い入れた労働者が、助成金支給基準日から支給完了日にかけて減っていないこと
③制度を利用して雇い入れた労働者が事業主都合以外で離職する場合、支給基準日から支給完了日までの離職者が雇い入れた労働者の1/2もしくは3名以下であること

このように、地域雇用開発助成金では1回目と2回目および3回目の支給で受給要件が大きく異なっているため、制度を利用し始める1年目と、続けて補助金を受け続けるための2年目と3年目では、考えなければならないポイントが異なるのです。

3. 地域雇用開発助成金を利用するとき注意すべきポイント

地域雇用開発助成金を使い始めるためには、ハローワークや民間の職業紹介事業者から3名以上の紹介を受け雇用を創出する必要があります。ただし、事業所における労働者の数を増やしていかねばならないため、定年退職予定の方や転職予定の方の穴埋めとしてこの制度を利用し、抜けた人数だけ採用する形では補助金を受けられないのです。

また、地域雇用開発助成金は、最長3年にわたり補助金を受給できる制度で、かつ2年目以降は受給要件が異なるため対応策をあらかじめ考えておく必要があります。まず、制度を利用して雇用した労働者を、いかに「離職させない」で働き続けてもらうか、という安定した雇用の創出が求められます。

当然、地域雇用開発助成金は辞めたいのに辞めさせてもらえないブラック企業を生み出すための制度ではありませんので、いかに地域に愛され、労働者にも愛され、長く働いていきたいと思ってもらえるような社内環境の整備や労働意欲の向上をし続ける必要があります。

4. 地域雇用開発助成金ではいくら助成されるのか

地域雇用開発助成金を利用すると、事業所の設置や整備に関する費用が助成されますが、補助金の額は制度を利用して雇い入れた労働者の数と、事業所の設置や整備にかかった費用の両方を計算し、算出されます。

地域雇用開発助成金を利用して最も多く補助金がもらえるケースは、20人以上制度を利用し雇い入れ、事業所の設置や整備に5,000万円以上要した場合です。この場合、中小企業で1回目の支給時には最大1,440万円受け取ることができ、その他の規模や中小企業の2回目以降は最大960万円助成金を受給できます。

これは、地域雇用開発助成金で中小企業であれば1回目の支給額の1/2の金額が上乗せされると規定されているためであり、そのほかの人数や金額を利用した場合にも同じく当てはまります。

地域雇用開発助成金で定められている生産性要件を満たしつつも、雇い入れた人数や利用した金額が少ない場合で補助金の額が一番少ないケースは、3人~4人制度を利用して雇い入れ、事務所の設置や整備に300万円以上1,000万円未満要した場合です。この場合は、60万円の助成金を受け取ることができます。

つまり、300万円未満しか事務所の設置や整備に要していない場合には、どの項目にも当てはまらないため、この制度で助成金を受給することはできない、ということなのですね。

おわりに

いかがでしたか。地域雇用開発助成金を利用すれば、地域住民の雇い入れをしながら事務所の設置や整備にかかる費用を補助してもらうことができるため、事業主としても労働者としてもうれしい関係を築くことができる制度ということがわかりました。

地域住民に愛され、より大きい企業に成長できるよう、うまく制度を活用していただきたいと思います。


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