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キャリアアップ助成金の要件とは 必要書類や就業規則設定の流れ

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キャリアアップ助成金の中にある正社員化コースを利用しようと考えている事業主の方は、ぜひ要件を把握しているのか、必要書類に何が必要なのか、詳細を理解しているのか再確認の意味を含めて確認していただきたいです。

この記事を最後まで読んでいただいた方は、制度申請の流れから必要な就業規則まで、幅広く理解していただけることと思います。

1. キャリアアップ助成金の正社員化コースに必要な要件

キャリアアップ助成金の正社員化コースというものを利用するにあたり必要な要件はさまざまありますが、この制度を利用するにあたり最も基本的な要件が、有期で雇用契約を結んでいる労働者を無期限の雇用に転換する、もしくは正社員として迎え入れることです。

これは、キャリアアップ助成金の正社員化コースにおいて、例えば3か月更新の派遣社員で勤務している方を、給与や休日など同じ扱いでも契約更新のない無期契約労働者として迎え入れることにより、基本的な要件を満たすものです。この場合、コースの名前どおり正社員にすることも当然許されますが、それが難しい場合には直接雇用で契約期間が定められていないのであれば、契約社員といった形式を採用することも可能なのです。

そのため、キャリアアップ助成金の正社員化コースを利用する流れとしては、まず期間が定められている労働者として雇い、その後に期間の定めがない労働者として直接雇う転換を行うことが最低限の要件として求められているため、最初から直接雇用されている正社員や契約社員などには、この制度の適用をすることができない点に注意が必要と言えます。

2. 正社員化コースを利用するための必要書類は?

キャリアアップ助成金の正社員化コースを利用するためには要件を満たすのはもちろんのこと、必要書類を準備し各種計画書を提出する必要があります。この流れを守らないと、助成金を受給することができないため注意が必要です。

助成金を受給するためには、次のような手順を踏む必要があります。まずは、正社員化コースではありませんが、キャリアアップ助成金でも複雑な人材育成コースでのみ使われている手順を紹介いたします。

①労働組合などの意見を聞きながら作成したキャリアアップ計画を作成し労働局やハローワークに提出する
②ジョブ・カードセンターからジョブ・カードの交付を受けながら訓練計画届を作成する
③作成した訓練計画届を労働局やハローワークに提出する
④職業訓練を実際に実施する
⑤訓練内容に問題がなければ、助成金が交付される

キャリアアップ助成金の人材育成コースでは、このような面倒な手順を踏まねばならず、非常に複雑な流れになっています。一方、その他のコースでは、次のたった3項目しか手順は存在しないのが特徴と言えます。

①労働組合などの意見を聞きながら作成したキャリアアップ計画を作成し労働局やハローワークに提出する
②コースに合わせた取り組みを実施する
③コースに合わせた取り組みに問題がなければ、助成金が交付される

人材育成コースに比べてしまえば、正社員化コースには必要書類と言える書類はほとんど存在せず、①で利用されるキャリアアップ計画の計画書を提出するために必要な書類や、労働組合などと話し合いを設け、労働者にどのようなメリットがあるのか説明するための書類や、話し合いの内容をまとめた書類を読み直せるよう作成することが、必要書類の準備と言えるかと思います。

このように、同じキャリアアップ助成金でも必要書類は異なってくるため、流れを間違わないように準備すべきなのです。

3. 就業規則の変更や健康診断は必要なのか

キャリアアップ助成金で正社員化コースを利用した場合、就業規則を変更したり、健康診断を実施したりする必要があるのか、わからない点もあるかと思います。これは、制度の要件では特に触れなかったのですが、正社員化コースを利用したからといって、必ずしも就業規則の変更が必要であったり、健康診断が必要になったりするというケースばかりでないのです。

というのも、そもそもキャリアアップ助成金の正社員化コースの中身としては、最初にお話ししたような基本的な要件しか、守らなければいけないことは規定されておらず、必ず就業規則を変更しなさい、健康診断を受けさせなさい、といった要件はないのです。

就業規則が変わるというよりも、就業における雇用体系が変わるのが正社員化コースですので、直接雇用によるデメリットがもし発生するのだとすれば、労働組合などと意見交換をし作成されたキャリアアップ計画が甘く、労働者が正規雇用を望まないような計画になってしまっているのを自覚せねばならないと言えます。

例えば正社員化コースを利用する際、1日8時間を週5日、時給1,500円で派遣社員をしていた方を、無期契約労働者にするからと労働時間は同じで時給1,200円に引き下げて雇用の転換をしようとしたら、雇用主視点からすればいつ首を切られるのかわからない派遣社員から直接雇用になったのだからと思いがちですが、労働者視点からすれば、そのメリットがあってもよほど福利厚生が充実していないかぎり時給が下がりすぎるため、そのような直接雇用のお誘いは断る可能性が高いです。

もともと福利厚生が充実している企業ならば別ですが、キャリアアップ助成金の正社員化コースにて、福利厚生を充実させるような要素は存在しないため、待遇面を考える必要があります。

このように、就業規則は特段変える必要がないのですが、健康診断についても今までどおり特段変える必要がないと言えます。ですが、キャリアアップ助成金の正社員化コースを利用することで直接雇用するため、健康診断の対象者となりやすい傾向にあります。

1年に1度の義務とされる健康診断は、常時使用する労働者である直接雇用の正社員や契約社員に加えて、それらの人物の週所定労働時間の3/4以上働いていれば、アルバイトであろうが健康診断の義務が生じます。

これは、キャリアアップ助成金の正社員化コースの利用有無にかかわらず、事業を行っている事業主として当然の義務であり、これを怠ると企業として処罰される恐れがあるため、もし労働者が健康診断を拒否しても、必ず受けさせなければならないものなのです。

4. キャリアアップ助成金で気をつけるべきこと【まとめ】

キャリアアップ助成金の正社員化コースでは、特段就業規則を変更する必要もなく、今まで正常に企業を運営してきたのならば、健康診断の義務についても考え方を変える必要がないことがわかりました。要件として一番求められているのは、期限に定めのある労働者を期限に定めのない労働者として転換することであり、それを必要書類にまとめ、実行することで助成金が受け取れるものなのです。

気をつけなければならないのは、健康診断をしっかりと運用していても、雇用の転換をする人材が派遣社員である場合です。この場合、派遣元の企業が健康診断を行ってきていたため、転換後に健康保険や健康診断など、各種制度をしっかりと引き継いで運用するのを忘れてしまう可能性があります。

もしそのようなことがあれば、社内からも世間からも、企業のイメージはダウンしてしまいますので、正社員化コースを利用する際には事業主としての権利だけでなく、労働者としての権利面からも、忘れずに把握して行動していただきたいと思います。

おわりに

いかがでしたか。キャリアアップ助成金の正社員化コースは、特段難しい必要書類や計画書を用意する必要もなく、要件も簡素であるため非常に使いやすそうです。また、就業規則や健康診断の制度も今までどおり運用し続けても問題ないため、流れさえ覚えてしまえば簡単に利用できる制度であると思います。

ぜひ、この機会に雇用形態を見直していただきたいと思います。


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